ブログ

第1回過信シンポジウム

板生清先生(東大/東京理科大学)、国分三輝先生(愛知淑徳大学)、中小路久美子先生をお招きして、第1回のシンポジウムを開催しました。大変興味深いご講演をいただき充実した会になりました。以下、シンポジウムの概要を報告します。

(1) 板生先生には、基調講演として「人間情報学の提唱」という演題でご講演いただきました。Nature Interfaceという言葉で自然・人間・人工物に跨る情報の流れを考える視点から、先生の日頃の活動(板生先生は、アカデミア、社会貢献、政策立案にまたがる幅広い活動をされていらっしゃいます)について、ご紹介いただきました。「万物は情報を発信する」という認識は、パターン認識や旧来のインタフェースの研究に欠けていた視点だと思います。

Nature Interface != Natural Interface

(2) 豊田中研出身の国分先生からは、自動車の視点からお話をいただきました。予防安全の世界では、以前から

向上させた Safety Margin を、 Negative Adaptationが食いつぶす

という、まさに過信のジレンマが問題になっているそうです。国分先生は、この問題は、支援技術の問題であるとともに、ドライバのmotivationの問題であり、ビジネスモデルの問題でもあるとお考えでした。ecoが運転を変えるmotivation となるように、運転を常に意識させることで得られる何かの存在が大きいとの指摘は、そのとおりだと思います。たとえば、我々がSCOPEのプロジェクトで進めている、ドライブレコーダを利用した運転の「見える」化による、安全運転支援なども、motivationに働きかける一つの方法ではないかと思いました。

(3)中小路先生の講演では、「何をしたいの?」っていう問いを常に発することが大事なんだと感じました。好むと好まざるとに関わらず、「何か」をするために作った技術によって、社会が変わり、人が変わって、知らないうちにやりたかった「何か」も変わっている。そんな時間軸を持ってインタフェースを考えれば、「モノ」が(使っている時だけでなく)使っていない時にさえ、「ヒト」に影響を与えるという、発想も自然なのかも知れません。私には、指摘されるまで思いもつかなかった発想です。「支援システムの過信」というのは、まさに使っていない時あるいは使えない時の「モノとヒト」との関係という整理もできると気付きました。

明日までにつけばいいなら馬車でもいいじゃん。ダイエットにもなるし。

終了後の意見交換会でも多くの御示唆をいただきました。「我々が問題としている『過信』は、想定する支援の範囲からの逸脱にどう対処するかっていうことなのか?」という質問には、思わず唸ってしまいました。答えはNOのはずなのですが、、、、、宿題にさせて下さい。

ご講演いただいた先生、聴講参加いただいた皆様、シンポジウムの準備をして下さった村瀬先生・出口先生、ありがとうございました。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://cms.uclab.jp/.cms/tb/39

コメント投稿フォーム





記憶する